真言はなぜ「分からなくても」効くのか

― フロイトとユングから見る潜在意識の正体 ―

「潜在意識」という言葉は、
どの自己啓発本にも出てきます。

それなのに多くの人が、

  • 結局よく分からない
  • 読んでも実感がない
  • 分かっているのに変われない

そう感じています。

これは理解力の問題ではありません。
潜在意識そのものが、“理解される前提”で動いていないからです。


フロイトが見つけた「考えの外側」

潜在意識という概念を、
心理学として最初に示したのが
ジークムント・フロイト です。

フロイトは、人の行動の多くが
自分で意識していない心――
無意識に左右されていると考えました。

ただし当時の理論では、無意識は

  • 抑圧された欲望
  • トラウマ
  • 問題の原因

といった
「厄介なものの置き場」
として扱われがちでした。

この流れから、
潜在意識=
「直すもの」「操作するもの」
という誤解が広がっていきます。


ユングが変えた「潜在意識の意味」

この見方を大きく変えたのが
カール・グスタフ・ユング です。

ユングは、潜在意識を
「問題の原因」ではなく、
人を守るために働く層
として捉えました。

  • 怖くなって止まる
  • 動けなくなる
  • 同じ所で足踏みする

これは失敗ではありません。

👉 壊れないための防御反応です。

だから、
正論やポジティブ思考を
無理に押しつけるほど、
潜在意識は強く抵抗します。

それは
「変わりたくない」のではなく、
「壊れたくない」だけなのです。


潜在意識は「説得」では動かない

多くの自己啓発が苦しくなる理由は、ここです。

潜在意識は

  • 理解しない
  • 納得しない
  • 正しさで動かない

潜在意識が見ている基準は、ただ一つ。

👉 安全かどうか

急かされる。
結果を求められる。
今の自分を否定される。

この状態では、
潜在意識は「危険」と判断し、閉じます。

だから
「分かっているのに変われない」
という状態が生まれます。


真言は、何をしているのか

ここで真言が登場します。

真言は

  • 理解させない
  • 変えようとしない
  • 結果を要求しない

ただ
同じ音とリズムを、静かに繰り返す
それだけです。

すると

  • 思考が止まり
  • 呼吸が整い
  • 身体が落ち着き

潜在意識はこう判断します。

「ここは安全だ」

真言は
願いを叶える呪文ではありません。

👉 潜在意識と争わず、
元の安全な位置に戻す方法
です。

だから真言は、
意味が分からなくても
効いてしまうのです。


静かになると、不安になる理由

真言を続けると、
多くの人が一度、不安になります。

  • 静かになりすぎた気がする
  • やる気が落ちたように感じる
  • 何も起きていない錯覚

これは失敗ではありません。

👉 緊張が“通常状態”でなくなったサインです。

安心に慣れていないと、
人は「静けさ」を不安と勘違いします。


ここまでのまとめ

  • 潜在意識は理解するものではない
  • 説得すると逆に閉じる
  • 真言は安全な状態を作る
  • 静かな変化こそ、本物

もし今、
前より静かで、
焦りが減り、
でも現実が少しずつ動いているなら。

それは停滞ではありません。

ちゃんと整い始めています。

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